当農園では、柑橘類を中心に無農薬・無化学肥料で農産物を栽培しています。
その主な目的は、地域の環境保全と持続可能な農業を行うことです。

無農薬栽培の場合、「安心・安全」が売りになることが多いですが、当農園では意図的に言わないようにしています。普通の農産物が危険・不安だという風説を煽ることになるからです。

- 無農薬にしては価格が安いですね？

当農園では、慣行農法の農産物とほぼ同じ価格で農産物を販売することを心がけています。無農薬・無化学肥料の農産物がもっと普通に買えるものになって欲しいからです。柑橘類については基本的に選果（大きさや外観で等級を分けること）をしないこと、キレイに箱詰めしないことで低価格に抑えています。

- 使用資材は何ですか？

柑橘類は基本的に２つの資材のみで栽培します。
第1が「夢ゆうき21」という堆肥です。薩摩川内市東郷町の松山農産という会社が製造している堆肥です。
第2が苦土石灰です。「苦土セルカ2号」というカキ殻を主原料として有機質石灰で、JAが製造しています。
この他、鶏用の飼料の「カキ殻」や「粒状炭酸苦土石灰」を散布することもあります。なお、原則的に窒素肥料は使用しませんが、鶏糞堆肥を使用することがまれにあります。
水稲（お米）については、マメ科植物の緑肥の他は、基本的に無肥料です。

- 有機栽培とは違うの？

有機栽培として販売するには認証が必要ですが、当農園では「有機認証」を取得しておりません。よって有期栽培ではありません。
ただし、栽培には有機栽培で使用可能な資材を使用しており、上述の資材もそれに当たります。なお、有機栽培でも使用可能な農薬はありますが、当農園では農薬自体を基本的に使用していません。また、農薬のドリフト（周辺の農園からの農薬の飛散）もない環境で栽培しています。
※例外的に、柑橘類の害虫ゴマダラカミキリの防除のため、木の根元に使用する農薬を使用する場合があります。

- 特別栽培農産物とは違うの？

「特別栽培農産物」とは、農水省のガイドラインに沿って栽培された農産物のことです。基本的には、当農園の農産物は「特別栽培農産物」に当たる管理をしています。ガイドラインに沿って表記すると、「特別栽培農産物（農薬：栽培期間中不使用、化学肥料：栽培期間中不使用）」となります。
ただし厳密には、特別栽培農産物と表示するためには圃場にその旨の看板を設置したり、確認責任者を置いて栽培計画を確認するなどの手順があり、こうしたことに取り組んでいないので、特別栽培農産物とは表示できません。

- 無農薬や無化学肥料という言葉は使っちゃいけないはずだけど？

農水省が定めた「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」では、「無農薬」や「無化学肥料」という言葉は、使用しないこととされています。しかしながら、これは農水省がガイドラインで定めているだけで、法律等で禁止されているわけではないので当農園では使っています。なにしろ、「農薬：栽培期間中不使用、化学肥料：栽培期間中不使用」という表記は煩わしく、わかりにくいからです。